スカイダイビング基礎テクニック講座

(監修:Jumpreさん)


今年、Jumperさんとレラティブワーク(別名:フォーメーションスカイダイビング)をやりに行ったのですが、失敗の連続で、なかなか空中で思ったようにフォーメーションを組めず、私の技術の無さを痛感しました。
でもって後日、Jumperさんから「性根が入っとらん!」つ〜て図解入りで解説してもらったのですが、せっかく作ったそれが勿体ないし、仲間内やこれからジャンプをする人にも役立つと思って、図をいくつか追加して、このような形にしてみました。


1.イグジット
最初は飛行機から飛び出すイグジットについてです。大きく分けて
(1)頭を上にして飛び出す方法
(2)頭を下にして飛び込む方法
の二種類があります。

(1)の場合の注意点としては、膝をしっかり伸ばすことです。膝を曲げていると、上半身が風にあおられてひっくり返ってしまいます。
(2)の場合の注意点としては、膝をしっかり曲げることです。膝を伸ばしていると、下半身が風にあおられてひっくり返ってしまいます。
(3)2人でフォーメーションを組んで飛び出す場合は、飛行機の内側の人が飛び出す際に膝をしっかり曲げ、飛行機の外側の人が膝をしっかり伸ばす必要があります。
どちらかがそのとおりにしていないと、飛び出したとたん、ひっくり返ってしまいます。
(# 私しゃ良くやるんですよね〜。(爆))

そもそもジャンパーがイグジットすると、放物線を描いて落下していくわけですが、飛行機から飛びだした瞬間は飛行機が前進することによって生じる水平方向の相対的な風(レラティブウィンド)を受け、それが徐々に垂直方向のレラティブウィンド(この場合ジャンパーが落下することによって生じる風)へと変化していきます。
飛び出す際に自分の身体でどのように風を受けて、どのようにボディコントロールをするか、あるいはどのように風に翻弄されているかを考える必要があります。


2.ターン
飛び出したら方向を変えるためにターンをするわけですが、うまくボディコントロールをして、正確に回る必要があります。
ジャンプの習い初めの時はもちろん全身を使ってボディコントロールなどという高度なことはできませんので、手だけを使ってターンします。
しかし、一人だけでジャンプするならともかく、フォーメーションを組んで複数の人と一緒にジャンプする場合は、自分が今いるその場でうまく回らないと、一人だけどこかへ行ってしまうか、他の人の邪魔をしてしまうことになります。
図の@のように、手足を使ってターンの中心を身体の中心(おへそのあたり)に合わせるようにする必要があります。
図のAのように、手だけを使ってターンすると、ターンの中心が身体の外側になって大回りになってしまい、回っている間にどんどん他の人と離れていってしまいます。


3.前進、後進、横滑り
さて、複数で飛び出してバラバラに別れた場合は、他の人に向かって前に進む必要があります。
前進するには図(1)のように、腕を縮め膝をしっかり延ばさねばなりません。
この場合膝が曲がっていると、思ったようには進みません。
じゃあ反対方向の後進するには図(2)のように、腕を前に伸ばし、膝をしっかり曲げねばなりません。
この場合膝が伸びていると、思ったようには後ろに行きません。

他の人に向かって前進してドッキングする場合に、すぐそばに近づくとついつい腕を伸ばしてしまうのですが、そうすると、前進が止まってしまい、ドッキングできなくなってしまうわけですが、初心者の時はあせって余計に腕を伸ばしてしまって、近づくつもりがどんどん離れていくってなことに良くなります。

前進、後進以外には横滑りするってな高度なテクニックもあります。
ちなみに私にはまだうまくできないです。(^^;


4.ポジション
さて、ジャンパーは体型や体重やジャンプスーツによって落下速度が変わってきます。
重い人は軽い人より早く落ちるし、ピチピチのスーツの人はダブダブのスーツの人より早く落ちます。
ですから、他の人が自分より先に落ちていったら、追いかけて自分の落下速度を増さねばなりません。
でもって身体のポジションを@ニュートラルから、A小さいポジションにして落下速度を増したり、Bより小さいポジションにしてより落下速度を速めたりします。
これは地面側から見て、全身の抵抗を減らし、風を流れやすくして早く落とすというわけです。
思いっきり落とすときは、頭から突っ込んでCダイブします。

また、自分が他の人より先に落ちていく場合は、自分の身体の落下速度を抑えて少しでも浮かす努力をしなければなりません。これは自分の身体の抵抗を増して、風をなるべく受けとめるようにして少しでもゆっくりと落とそうとするわけです。
ちなみに、落とすよりも浮かす方が難しく、抵抗を増そうとすると全身がバタバタしてしまって、なかなか思うようにはいきません。


と、ま〜とりあえずはこんなもんです。
いろいろと説明不足な点もいっぱいあるので、徐々に充実させようかな〜っと思います。
(1999/12/30)